「全日本学生音楽コンクール」の略称と 「ヴァイオリン」の表記について  

従来、当ブログでは「全日本学生音楽コンクール」の略称として「毎コン」を使用してきた。「毎コン」はおけいこニスト及びコンクーラーの間で比較的流通度が高い略称と思われたからである。

一方、主催の「毎日新聞」は「学生音コン」あるいは「学コン」を略称として用いている。

60周年を迎え、コンクールの告知・広報活動に一層力を注ごうとする主催者側の方針を考慮し、また紛らわしさを避ける意味でも、当ブログでも今後は「学生音コン」あるいは「学コン」を略称として使う方針に切り替えたい。(ただし過去ログは「毎コン」のままで残します。)

また、当ブログでは violin は「ヴァイオリン」と表記統一してきた。

一方、一般には「バイオリン」の表記も広く使われており、「学生音コン」の場合は「バイオリン」部門が正式呼称である。

今後は「バイオリン」と表記されている資料についてあえて「ヴァイオリン」と表記変更せず、「ヴァイオリン」と「バイオリン」を並存させて使用していくこととしたい。(こちらも過去ログは「ヴァイオリン」のままとします。)


「第60回全日本学生音楽コンクール」全国大会・NHK-FMで放送 

すでにコメント欄で情報をお寄せいただいたように、第60回「学生音コン」全国大会の模様がNHK−FMで本日(3日)15:00よりオン・エアされます。

放送されるのは各部門各部の第1位〜第3位の受賞者の演奏です。



“ミューズに抱かれた”ライヴァルたち 

一昨日の「エンジェル」(天使)に続いて、今日は「ミューズ」(芸術を司る女神)のことを。

「学生音コン」東京大会本選、全国大会、「クラコン」全国大会と、11〜12月のコンクール・シーンでしのぎを削りあった両雄が、実は北海道のHBCジュニアオーケストラ出身者同士という記事が「毎日新聞」ウェブサイト・北海道版特集ページ“ミューズに抱かれて”に掲載されています。(*注)少々探しにくい場所にあるのでリンクを貼らせていただきました。以下《 》内は同記事から引用。)

《成田達輝さんは、札幌に移り住んだ3歳ごろからバイオリン教師の澤田まさ子さんに手ほどきを受けた。中学1年までの10年間、大谷地東小、厚別南中に通い、小学3年からHBCジュニアオーケストラのメンバーに。「仲間と一緒に一つの音楽をつくる楽しさを知って、それまで以上にバイオリンが好きになった」というように札幌の地で音楽の基礎を築いた。一昨年11月に父親の転勤で群馬県に。・・・》

《一方、尾張さんは札幌生まれの札幌育ち。バイオリンとの出合いは3歳のころ。お母さんによると、「自分からバイオリンを弾きたい」と言ったという。バイオリニストの多賀白さん指導の下、小学2年(宮の森小)の時に毎日学生音楽コンクールバイオリン部門で銀賞。3、5年で金賞を受賞し頭角を現した。HBCジュニアオーケストラには5、6年生の2年間、メンバーとしてアンサンブルの勉強もした。昨年、演奏家になるための本格的な勉強をしたいという願いから一家で東京に移り住んだ。・・・》

ちなみに、この特集“ミューズに抱かれて”は、北海道における演奏会や学生コンクールに関する記事を継続的に掲載している貴重なページです。「毎日新聞」北海道支社が開催する「毎日学生音楽コンクール」、「毎日こどもピアノコンクール」(これらこそ"毎コン")の記事、出場者や受賞者の紹介やインタビュー。そして「全日本学生音楽コンクール」における北海道勢の活躍もフォローしています。

独自のコンクール開催に、それを採り上げる記事を連動させた支援のかたち。北海道のおけいこニスト、コンクーラーはまさに“ミューズに抱かれて”未来への研鑽を積んでいると言えます。

クラシック音楽にフォローの風が吹いている2007年。日本各地で「エンジェル」や「ミューズ」の機運がより一層高まることを期待したいと思います。

象徴と効用の「タオル」伝説 

東へと向かう列車で旅立つ彼。都会の絵の具に染まらないで、とひたすら祈る彼女。

ただ

涙ふく木綿のハンカチーフください

ハンカチーフください

と歌ったのは太田裕美。

一方、北海道から東京へと向かう飛行機で旅立つ彼が残したものは、汗ふく木綿のタオルだったのだろうか。

思えば、今年の夏の終わりのエントリー。「ハンカチ王子」の活躍にわいた甲子園が終り、「王子」ホールでの新たな戦いが始まろうとしていた。あの時点で、誰が今日の展開を予想し得たであろうか。

2006年11月、「王子」ホールは新たな「王子」伝説を生んだ。

「輝きに達する」その新星は、持ち前のシルキー・ルビー・プラチナ・トーンを武器に、東京大会・中学校の部第3位を経て一気に頂点へ。60年目の「学生音コン」全国大会のタイトルを見事かっさらい、あの伝説の「青い」タオルによって聴衆の好感度と話題さえひとり占めにした。

演奏家にとって「タオル」には汗をふく以外に別の効用がある。

神経が張り詰める重苦しい舞台。演奏者だけでなく聴衆も緊張する。汗をふくために演奏者がタオルを手にする。

そこに「間」が生まれる。

緊張が極に達した時間に生じる、緩衝地帯としての「間」。

落語家なら羽織を脱ぎ、扇子を広げ、茶を一服すする。力士なら塩をまく。

登場から実演開始までの間に展開される、付随的に見えるそれらモノにまつわる動作は、表現者と受け手の関係に仕切りを入れる。

静から動への、無音から発音への転換点。内的衝動を表現へ、パトスをカタルシスへと導きつなぐ重要な仕切りの時間。

「さあ、楽しい音楽の世界へようこそ。」

「タオル」の持つ「間」の効用を侮ってはならない。

来年の第61回「学生音コン」の参加賞は、もはやこれで決まりである。

それにしても、全国大会は本当に「青」だったのだろうか。「青」というよりも、若干「緑」であったような印象を持つ。そして「グランプリコンサート」では「青い格子縞」だったのでは、との情報もある。何か変化があったのか? 年明けの東京大会入賞者ガラ・コンに興味をつなぐ展開となってきた。

そしてもう一つ、象徴と効用の「顎当てハンカチーフ」。先の全国大会・中学校の部で鮮やかに記憶に残っているラヴェル:ツィガーヌ。熟成した音色で魅せた飯川直美さん。

曲の世界を表出するかのような「赤」のドレス。それとコーディネイトした「赤」の「顎当てハンカチーフ」。

ハンカチ王女などという無粋はもはや言うまい。

記憶に残る「音」と「色」であった。


「第60回全日本学生音楽コンクール」公式サイトに動画がアップ 

全国大会1位受賞者の動画がアップされています。

「第60回全日本学生音楽コンクール」全国大会・採点結果公表 

12月23日付「毎日新聞」朝刊に、審査結果の特集記事が掲載されました。「毎日新聞」ウェブサイトの「エンタテインメント」>「音楽」のバックナンバー一覧にもアップされています。

公表された採点結果は第1〜3位までの受賞者の分で、その他のコンテスタントの得点は本人と保護者からの問い合わせに限り通知されます。

ヴァイオリン部門の審査幹事である小林健次先生による講評も発表されています。全体に水準が高く、特に激戦だった中学校の部では、「近い将来、国際コンクールの本選でも十分活躍できる人たちがいた」とのことです。

また、24日に福岡で行われる「グランプリコンサート」の演奏曲目は以下の通りです。

○岡本誠司さん(小学校の部第1位) サン=サーンス:協奏曲第3番 第2・3楽章

○成田達輝さん(中学校の部第1位) (1) ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ第1番 / (2) サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ

○対馬哲男さん(高校の部第1位) チャイコフスキー:協奏曲 第1楽章

○前田奈緒さん(高校の部第1位) (1) ヴィエニャフスキ:エチュード・カプリース 第4番 / (2) ショーソン:詩曲

 

「第60回全日本学生音楽コンクール」全国大会・スケッチ(2) 

舞台

客席側から向かって左手に出演番号の表示板。出番が来ると、氏名とどこの地区大会代表かがアナウンスされる。曲名の紹介はない。

休憩

4〜5人の演奏が終わると、15分間の休憩が入る。会場内はやや冷える。レディーズ・レストルームの行列はコンサートの日常風景。

受賞者発表

演奏終了20分後に舞台上で行う。時間が来ると、審査員、諮問委員、主催者代表が舞台に登場。紹介、審査員代表の簡単な講評(「皆さんとても音楽的、表情豊かに演奏しすばらしかった。ひとつ難を言えば緊張ゆえの音程・・・」等)の後、第3位から発表。第3位の受賞者が舞台に上がり、表彰を受けた後、第2位の発表へと続く。発表のたびに、客席のあちこちに波紋が生じ、歓声・感嘆の声とかすかなため息が起こる。

受賞者掲示

舞台上での発表後しばらく時間をおいて、受賞者の氏名は小ホールの外、スロープを下りきったあたりに掲示される。次の中学校の部に入場してしまった人は、「退場後の再入場不可」の規則ゆえ、小学校の受賞結果の掲示を見に行けない。ホール内にいる小学校の部も見た人から結果を聞くか、事務局係員に尋ねるか。掲示はホール内のロビーでも行うべきだ。

ロビー・ドリンクコーナー

ドリンクコーナーにはワインやビールもある。が、アルコールには目がないパパでも、さすがにコーヒーかソフトドリンクにとどめるべきだと観念させる場の空気が漂っている。喫煙は専用の屋外テラスにて。数名の方々がくゆらせている。運動会における飲酒・喫煙、コンクール会場における飲酒・喫煙・・・。教育的現場度はいずれが高いかよくわからないが、家庭に寄り添えば寄り添うほど、公共の場における休日パパの嗜好品摂取の機会が制限されていくのは致し方あるまい。

聴衆

地方からの参加者も多い全国大会。「パパ」率はもちろん、「ジィジ」「バァバ」率も高い。出演者、そのファミリーと親族、師事する先生、出演者の同門下・同教室生、予選・本選出場者、歴代受賞者、次年度以降出場予定の下見組、興味本位のおやじブロガー約1名・・・等々。レッスンの帰りか、ヴァイオリン持参の子もちらほら。「すごいなあ」と思わず感嘆・感心の声を漏らすパパを午前中に2名、午後に1名、メンズ・レストルームにて目撃。


「第60回全日本学生音楽コンクール」全国大会・スケッチ(1) 

連日、次代を担う若き演奏家たちの熱演が続いた全国大会も12月6日に幕を閉じました。

3日のヴァイオリン部門小・中学校の部に出かけたイグラーユが、大会の様子・雰囲気を様々な角度からスケッチします。

当日券発売・開場

小学校の部の開場は10時30分、開演は11時。当日券の発売は10時30分より。2F小ホールへ続くスロープを上がりきったところ、小ホール入場口横に設置された窓口にて。

小学校の部は前売り完売ゆえ、当日券を求める行列ができた模様。先頭が何時頃から並んでいたのかは未確認。中学校の部は発売時間の14時頃に行っても当日券の購入は十分可能であった。

チケットを持った入場者は、思わず「アキレス腱伸ばし」をしたくなる絶妙の傾斜角度のスロープに行列を作る。入口付近で2列に整列して入場。

チケット

小学校の部と中学校の部で入れ替え。一度退場すると、再入場は不可。

パンフレット

1000円。造本・ページレイアウトは東京大会のものと同様。全部門の演奏者、演奏曲、伴奏者、演奏者の写真と簡単なコメント(将来の夢・大切なもの・自分のテーマ曲は何ですか?)、諮問委員・審査員の顔写真と自筆サイン、過去の全国大会入賞者一覧、「学生音楽コンクールと私」(毎日新聞の梅津時比古氏、ピアノの深澤亮子氏、ヴァイオリンの澤和樹氏、フルートの小山裕幾氏)、学生音コンの簡単な歴史(公式サイト掲載レベル)等を掲載。本文48ページ・1色刷り。表紙4色。JR東海、ANA、カワイ、ヤマハ等の広告あり。梅津氏のおけいこ少年時代のヴァイオリン演奏姿の写真はとても可愛い。

審査員席

小ホール内メイン通路の後方・中央部分が審査員席スペースとして確保されている。審査員は1列10席分程度のスペースに各1〜2名が着席。点在具体、坐り位置などが審査員間の人間関係を表しているようでもあり、いないようでもある。演奏の前後で、あたかもコンサートにおける聴衆のように丁寧に拍手されていた審査員の先生がいらっしゃり、とても暖かいものを感じた。

ホールと音響

小ホールとはいえ広い。王子ホールの倍の客席スペースが舞台から末広がりに伸びている。響きは良いが、その広さゆえ後方へどれだけ音を届かせられるかが課題。細く弱い音だとやはり響かない。