新刊『CDでわかる ヴァイオリンの名器と名曲』(田中千香士:編著 / Vn演奏:漆原啓子) 

「図解雑学シリーズ」等、多品種の趣味生活関連書や実用書を旺盛に出版する「ナツメ社」より、おけいこニスト&ペアレント垂涎の1冊が7月8日に刊行される。

写真や図版が豊富なオールカラー160ページの単行本に、収録時間76分のCD付きで、2100円。

内容は、ナツメ社HPより以下引用。

<<ヴァイオリンの魅力を、豊富な写真や図版とともに、オールカラーで紹介する1冊です。Part1では世界の名器を写真で比較、紹介します。Part2は監修者である田中千香士先生(元N響コンサートマスター)の魅力的な語り口による、ヴァイオリンに関する秘話です。Part3では名曲と名ヴァイオリニストの魅力に迫ります。付録CDには名曲の数々だけでなく、ヴァイオリニスト漆原啓子氏による、ストラディバリウスと他メーカーのヴァイオリンの弾き比べを収録します。時価数億円といわれる名器の音色をその耳で確かめてみて下さい!>>

上記書籍紹介ページの下部で、見開き6ページ分の内容が拡大画像で確認できる。

名器の様々な角度からの写真に、細部の解説を加えた「ストラディヴァリウス鑑賞」。

「ヴァイオリンの名曲を知る」では、メンコンの解説が挙げられている。冒頭の独奏と、展開部終結にあるカデンツァをポイントとして解説し、CDに収録されたパールマンの演奏を聴いてみましょうという趣向。このあたりは、エレメンタリーおけいこニスト向けの独習教材として、秀逸な構成であると言えよう。

そして、パパアッチ大喜びの、名器の音が垣間聴けるコーナー。安上がりのディレッタンティズム(道楽趣味)などとは言うまい。人気のお正月番組「芸能人格付けチェック」で弾き比べを披露したことがある漆原啓子氏が、ストラディヴァリウスと、モダン、コンテンポラリーの楽器(マリオ・ガッダ作など)で、同じ曲を弾き比べ、それを読者がCDで聴いて当てるというものだ。

ちなみにこの文脈のみで、ウェブ上の偉大なる研究業績とも言えるページを紹介するのもどうかと思うのだが、「ヴァイオリンの研究」には、2008年元旦放送の「芸能人格付けチェック」(23億円の高価な楽器と安い楽器を用いた弦楽四重奏を当てる番組)の検証ページがある。


CDでわかる ヴァイオリンの名器と名曲CDでわかる ヴァイオリンの名器と名曲
(2008/07/08)
田中千香士

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『ボクたちクラシックつながり−ピアニストが読む音楽マンガ』(青柳いづみこ) 

芸大大学院卒のピアニストにして、熟達の文筆家、さらには大阪音大教授でもある著者が、『のだめカンタービレ』・『ピアノの森』・『神童』などの音楽マンガの世界を読み解き、これらが開けたクラシック音楽の世界への扉をさらに大きく開き、その深奥へと誘う興味深い1冊。

音楽マンガで描かれる世界に一般人として素朴な疑問をもった編集者の問いに答える形で、章立てが構成されている。

「第一章 一回読譜したらとっととやるぞ!」
→「初見」や一回耳で聞いただけで弾けるなんて、ピアニストの「目」や「耳」は一体どうなっているんですか?

「第四章 コンクール派と非コンクール派」
→マンガにはいろいろなコンクールが出てきますが、コンクール向きの特殊な弾き方って必要なんですか? 

「第五章 留学−クラシックをやるなら海外でなきゃ駄目?」
→のだめは、パリのコンセルヴァトワールに入学しますが、どんな試験をして、どんな教育をするところですか?

マンガに出てきたシーンが手際良い文章でまとめられ、そこに、現実のクラシック音楽の世界にまつわる興味深いエピソードと解説が加えられていく。軽妙な語り口に乗って読み進めていくうち、我々は自然に、ピアニストや指揮者のこと、ピアノ曲のこと、音大や海外の音楽院のこと、さらには音楽上の重要かつ興味深いテーマ(「楽譜に忠実に弾くか否か」「指揮者によって音は変わるのかどうか」)などに触れることができる。

例えば、本書中の興味深いエピソードや記述をひとつ、ふたつ。

○著者の勤務する大阪音大に、大学開闢以来の快挙を達成した学生がいるのだが、彼はまさに斬新な解釈で個性的な音楽を聞かせる「のだめ派」であるらしい。(勿論、楽譜の音を勝手に変えるというようなことはないが。)

○レッスン代、楽器の購入代、メンテナンス代はばかにならない。某雑誌によると、音大をめざすほとのレヴェルなら1レッスンは・・・。ピアノは国産の楽器で100万円程度ですむが、ヴァイオリンでは小学生でも・・・・。

ピアノが中心に語られているが、おけいこヴァイオリニストにとってもこの内容は非常にためになるし、何しろ面白い。必読の1冊である。


ボクたちクラシックつながり―ピアニストが読む音楽マンガ (文春新書 622)ボクたちクラシックつながり―ピアニストが読む音楽マンガ (文春新書 622)
(2008/02)
青柳 いづみこ

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新刊書『知っているようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典』 

これは、なかなかの優れもので、面白い本だ。知識の程よい整理のためにも、実に重宝しそうだ。

7月26日発売の、ほやほやの新刊である。

エレメンタリーからハイバーまで、おけいこニスト及びそのペアレントを名乗りたる方は、すべて必携されたし、と強くお勧めしたいと思うほどだ。

「ああ、この手の「平易に解説」本ね、んな事分かってるし、今更。」とのたまう「上級者」の方も、もののついでで構わないので、書店か楽器店でパラパラと立ち読みでもされると良いだろう。

イグラーユも「立ち読み」で済まそうとしたが、これは1冊持っといたほうが良かろうと、購入したクチである。

−へえー、できるだけ駒の近くを弾くのは、「スル・ポンティチェロ」って言うんだ。へえー、「グリッサンド」と「ポルタメント」のニュアンスの違いって、そういうことだったんだ

−「19世紀〜20世紀のバイオリニストの系譜」、「日本の名コンマスの略歴」。こういうのって、ネット上でもコンパクトにまとまった情報少ないんだよねえ。

−「ストラディヴァリに価値を見出したのは」。おお、楽器のミニ裏面史ね。読ませるねえ。

−「ニッポンを訪れた世紀のバイオリニストたち」。このブログでもこんな記事を書いたことがあったなあ。

−「クライスラーを教えた意外な大物、意外な親友」

−「何人もの世界的バイオリニストを育てたブロンという教師」

−「まだまだいる世界の名教師一挙公開」

などなど、興味深いテーマを挙げればきりがないのである。

「バイオリンのことをもっと知りたい。生まれや育ち、楽器創りの名人、弾き手に名曲のことを教えて。何億もする銘器があるって本当?

バイオリニストの、ここが知りたい。古今東西の名手には驚きのエピソードが満載です。

というわけで、本書は摩訶不思議な魅力を放射し続ける楽器の華バイオリンと、その愛すべき人間模様に光を当てている。知っているようで知らないバイオリンの奥深い世界。」
−本書あとがきより

著者は、音楽評論家の奥田佳道氏と山田治生氏。山田氏はビオラを弾くので、「バイオリンを深く味わうためのテクニック用語」や「教則本、音階、練習曲をつくったバイオリニスト」のページなどは、セヴシックを「いまいましい」(笑)と書くなど、“現場感覚に富んだ”、実に共感できる記述内容となっている。

もちろん全体で220ページの本である。多くのテーマひとつひとつの掘り下げに関して、今ひとつの不充足感なきにしもあらずだが、記述はツボを得ており、情報はコンパクトに整理されている。

何よりも1冊の本にまとまっていることの強み。そして、実に読みやすいという点で、出色のバイオリン本ではないだろうか。


知ってるようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典 知ってるようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典
奥田 佳道、山田 治生 他 (2007/07/26)
ヤマハミュージックメディア

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生きる力と希望の音楽−グスターヴォ・ドゥダメル指揮「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ」 

2000年11月、ベネズエラの首都カラカスで世界アマチュアオーケストラ連盟(WFAO)の会議が開かれた。

貧困と犯罪の多発に悩む人口2600万人のこの国については、1975年から始まった元文化大臣ホセ・アントニオ・アブレフ博士による子供達への音楽教育のプログラムがよく知られていた。

音楽の力で貧困を救い、社会を変えたい。

その教育プログラムの成果が示されるこの会議の場に、各国から集まった連盟の委員達は、それでも少なからずこんな先入観を抱いていただろう。「貧民街出身の子供達に、一体どのようなクラシック音楽を奏でることができるのだろうか」と。

これから自分達の前で繰り広げられる演奏に対し「外交辞令的な」「寛容な」態度を取らなければと、委員の誰もが内心、そう考えていたに違いない。

しかし・・・

<<バッハのカンタータ特集に始まったアブレフ博士の音楽的結晶は、次の日おそるべき音量と技巧を持った青少年弦楽アンサンブルのチャイコフスキーに続き、夜はサイモン・ボリーバ交響楽団(プロ)のマーラーの3番で我々を圧倒した。

コンサートが嵐のような拍手の中で終わると、私を目指して走ってくる青年がいる。何と昨年の市川大会に参加したベラスケス君ではないか。私は抱きついた彼と何度も抱擁をかわした。彼はこの一年でプロになっていたのだ。(彼は今回名古屋大会に参加)

そしていよいよ極めつけのベネズエラ・ナショナル・チルドレン・シンフォニーのコンサートが4日目に開かれた。難曲中の難曲チャイコフスキーの「リミニのフランチェスカ」を皮切りに200名の超絶技巧が始まった。

指揮は17歳グスタブ・ドゥダメル君。全曲暗譜での指揮は反射神経の塊であった。

最年少7歳から18歳までのこのオーケストラは、居並ぶ欧米のトップを自認する指導者に強烈なインパクトを与えた。私ももちろん例外ではない。

子供たちの目の輝き、体から立ち上る躍動感、国旗の色彩をかたどった首掛けと金のヴァイオリンが踊っている。南米という地域への誤まった先入観を叩きつぶされた日であった。

この子供たちの音の洪水の中で私は日本が今失おうとしているものの影を見たような気がした。>>
―「世紀の谷間で−WFAOカラカス会議報告」(WFAO委員長 森下元康)

この時、強烈な印象を残した指揮者のグスターヴォ・ドゥダメルは1981年生まれ。当時は17歳ではなく19歳だったと思われるが、4年後の2004年、「第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール」で優勝を飾り、世界の桧舞台に衝撃的なデビューを果たす。

その後世界各国の主要オーケストラとの共演を重ね、2005年にはドイツ・グラモフォンと専属録音契約を結ぶ。この年、ネーメ・ヤルヴィの代役としてイギリスの「BBCプロムス」にもデビュー。2007年にはスウェーデンのエーテボリ交響楽団の首席指揮者に就任。また2009年にはエサ=ペッカ・サロネンの後任として、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督への就任が決定している。

1975年にカラカスで始まったアブレフ博士の教育プログラムは、「ベネズエラ青少年・児童オーケストラ全国制度財団」に発展し、現在、全国で25万人の児童・青少年が参加し、210のユース・オーケストラを擁する全国組織となっている。

ドゥダメルもこのプログラムで4歳からヴァイオリンを始めたという。

ドゥダメルが指揮する「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ」はこのプログラムのまさに頂点、ベネズエラ全土25万人の青少年から選抜された精鋭たちで構成されるユースオーケストラである。

その若々しく生命力にあふれた演奏は、クラシック音楽の既成のフォルムを揺さぶり、また、聴衆の心をも強く揺さぶる。バレンボイム、アバド、ラトルら現代の巨匠が賛辞を惜しまない。

ドゥダメルにとっての、そしてベネズエラの青少年たちにとってのベートーヴェンとは・・・

<<交響曲第5番は、単なる音ではない。オープニング・モチーフは誰もが知っている。それは運命であり、宿命であり、全ての人にとって何か重要なものなのだ。説明の必要もない。それは音の中にあり、聴けば感じることができる。

この交響曲は怒りで始まる。しかし終わりまで展開に沿って演奏して、最終楽章まで来ると、そこには希望がある。聞けば音楽の中にそれを感じることができる。

多くの子供たちは貧しい家庭からきている。彼らは犯罪、ドラッグ、家庭の問題などひどい体験をしてきている。でもこの音楽を演奏するとき、彼らには特別なものがある。みんな希望を分かち合える。なにか驚くべきものになるんだ。>>
(グスターヴォ・ドゥダメル)


ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第7番 / ドゥダメル(グスターヴォ)


マーラー:交響曲第5番 / ドゥダメル

マエストロ 

直木賞作家篠田節子氏の音楽を題材にした一連の小説群のうちのひとつです。

「マエストロ」(巨匠)は、ここではヴァイオリン製作の「巨匠」のことを指しています。

ある会社の広告塔として華やかに活躍する、美貌の、しかし演奏は「一流半」のヴァイオリニスト・神野瑞恵が主人公です。ヴァイオリン製作の伝説の名工、演奏活動上のパトロン、出入りの楽器商、かつてコンクールで競い合ったライバル、音大教授の師匠、健気に努力する晩成型の弟子、プロとして完璧な伴奏ピアニスト・・・。

様々な登場人物が織り成すストーリーは前半は緩やかな音楽小説、後半は著者自身が言うように「死体の転がらない」ライトミステリー風の展開をとります。

心理描写が実に巧み。登場人物、特に主人公を含めた女性のキャラクター彫塑が隅々にわたって秀逸です。「女たちのジハード」で直木賞を受賞した篠田氏の小説に特徴的な女性の「自立」というテーマにこの小説も連なっていると言えるでしょう。後半、主人公はある事件に巻き込まれますが、その中で演奏家としての自らの真の姿を発見するラストは感動的です。

その成長の姿が、ベートーヴェンのクロイツェル・ソナタの演奏シーンで語られるところが、おけいこヴァイオリンに興味をもつ立場からはとても興味深く読めました。

次のような会話・シーンが特に前半部分には多く、篠田氏のヴァイオリン(楽器や曲、演奏法)に関する造詣の深さには驚きました。

・「このグァルネリは、表板が、非常に薄いんです。しかし華やかによく鳴るでしょう。早い話が、病気がちの美人と同じですよ。」

・「コレルリを弾いて下さいよ。できれば、コンチェルトグロッソでなく、ヴァイオリンソナタのほうをね。先生のコレルリはすばらしいですよ。端正で優美だ。」

・「楽器を探してほしいんだけど」
 「はいっ、今度は、どんな物ですか?」
  柄沢の口調が、変わった。
 「金額は四百万くらい。できればイタリア物・・・・・・」
 「四本で、イタリア?」

・ハ長調の次は、ニ長調の音階を弾く。全音符で四回、二分音符、四分音符、そして三十二分音符までいって、再びホ長調の全音符。

少々、引用が過ぎてしまいました。後は是非本書を読んで、お楽しみ下さい。

観月ありさ主演で秋にテレビドラマ化(WOWOW)されるとのことです。

それにしても本書の表紙。女性の姿を、やや官能的(?)に感じるのは、私だけでしょうか。もちろん、パトロンとの関係や恋愛もストーリーの一部ではありますが、決してそれが中心の小説ではありません。念のために。

マエストロ マエストロ
篠田 節子 (2005/11/25)
角川書店
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ヴァイオリニスト 

モノトーンのデッサン画に、短い文章。シンプルであることの雄弁さをこれほど感じさせてくれる本はありません。

毎日の辛い練習に、気持ちがささくれ立ったり、目標を見失いがちになった時、そっと手にとって、主人公の「しがない」ヴァイオリニストのささやかな再起の物語にふれてみて下さい。

凝った装丁とも相まって、いつもしみじみとした感慨と共に、おけいこに励む身にとっては、明日につながる力を与えてくれるように思われる。6年前に亡くなったガブリエル・バンサンの遺作となった日本版のオリジナル絵本です。

コンクールの賞も取れず、将来への希望を見失ったかに見える主人公のヴァイオリニスト。毎日自室で練習する彼のことを、窓辺から一人の少年がじっと眺め、ヴァイオリンの音色に聞き入っています。

来る日も来る日も、ヴァイオリンを弾く主人公とそれを窓辺で見ている少年。

一見単調な素描と抑制された短文の組み合わせ。それが、速い展開で、織りあわされていきます。

父から届いた手紙を読む主人公。かつて期待をかけた息子の現在の体たらくに、「みかけだおし」と容赦ない批判の言葉を浴びせる父。苦悩する主人公。

しかし、少年はいつも窓辺に来て、彼のヴァイオリンを聞いてくれている・・・。

訳者の今江祥智氏が言うように、全編にヴァイオリンの音色が流れ、同時にモノクロの画面に色彩が流れ込むように見える、珠玉の1冊です。


ヴァイオリニスト ヴァイオリニスト
ガブリエル・バンサン、今江 祥智 他 (2001/02)
BL出版

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ハイフェッツ・オン・TV  

関東大震災の被災者救援のチャリティ演奏会を行ったハイフェッツですが、1939年にアメリカで製作された『かれらに音楽を』という映画では、ハイフェッツは貧しい音楽学校に手を差し伸べる本人役で出演しています。

この映画にはハイフェッツの演奏シーンが多数収録されています。

ハイフェッツの演奏を収録したDVDとしては『ハイフェッツ・オン・TV』があります。テレビ番組用にドキュメンタリー風に撮影されたものですが、何と貴重なカラー映像。バッハのシャコンヌ、ブルッフのスコットランド幻想曲(弾き振り)などの鮮明な演奏シーンは実に感動的です。

ローデ24のカプリース 

昨日の「魔王のスタジオ」でもふれたオスカー・シュムスキーの「ローデ24のカプリース」のCDですが、HMVであれば新品の在庫があり、適正な価格で、7〜15日以内で入手できるようです。

音高の入試課題曲となることが多い「ローデ24のカプリース」ですが、このCDにおけるシュムスキーの演奏は、どこまでも美しく、表情豊かで、音楽性に富んでいます。「練習曲」という次元をはるかに超えた、芸術的完成度の高い無伴奏ヴァイオリンピースとしての作品世界をたっぷりと堪能できることでしょう。

しかもシュムスキーが弾くのは、1715年製のストラディヴァリウス。作曲者のローデが所有していた楽器です。最近、あの五嶋龍さんに貸与された「エクス・ピエール・ローデ」です。

CDとは言え、すばらしい残響を誇る教会で録音されていますので、響きの広がりと透明感を直に感じとることができます。さまざまに曲想が変化する24の「奇想曲」に、体ごと洗い清められる感覚にとらわれるのは私だけでしょうか。