ヴュータン4番は、こう弾け−「逆にせい音コン」の入賞レヴェル判明
【26日今日どう】
26日、「第1回全日本逆にせい音楽コンクール」の課題曲が発表された。やはりコンクールの権威を相対化する「裏コン」らしく、課題曲はすべて9月から始まる「表」に合わせてきた。注目の小学校部門は、ヴュータン:協奏曲第4番1楽章である。
さて、このヴュータンをどのくらい下手に弾いたら入賞できるのか。一つのヒントがここにある。
N響ヴァイオリニスト根津昭義氏のホームページ、4月12日の「ひとりごと」で紹介されていたヤッシャ・ハイフェッツのヴュータン:協奏曲第4番1楽章。
「逆にせい音コン」の受賞レヴェルを示した驚異の名演と言えるであろう。
26日、「第1回全日本逆にせい音楽コンクール」の課題曲が発表された。やはりコンクールの権威を相対化する「裏コン」らしく、課題曲はすべて9月から始まる「表」に合わせてきた。注目の小学校部門は、ヴュータン:協奏曲第4番1楽章である。
さて、このヴュータンをどのくらい下手に弾いたら入賞できるのか。一つのヒントがここにある。
N響ヴァイオリニスト根津昭義氏のホームページ、4月12日の「ひとりごと」で紹介されていたヤッシャ・ハイフェッツのヴュータン:協奏曲第4番1楽章。
「逆にせい音コン」の受賞レヴェルを示した驚異の名演と言えるであろう。
- [2007/05/27 03:05]
- 東虚実実新聞 |
- トラックバック(0) |
- コメント(4)
- この記事のURL |
- TOP ▲
格差社会に投じられた一石?− 「下手さ」を競う「全日本逆にせい音楽コンクール」(2)
それは、「あの方」をこのコンクールの名誉総裁にすることだと言う。
「ええ、あれはもう、今年一番です。いや、この10年の日本のパフォーマンス界を総括しても、出色のものでした。」
「あの方」は度肝を抜くスケールの大きさ、その芸術性と国際性の点で、他の候補者、例えばドクターや桜氏、その他今回の地方選において「キャラ」がまぶしかった宅氏、プリティ氏、羽柴氏、サスケ氏などを完全に凌駕していた、と伊倶氏は言う。
もちろん「選挙じゃ何も変わらないんだよっ!」という驚愕の政見放送がネット上で話題となった外山氏という稀有なパフォーマーはいたが、外山氏の本職はストリート・ミュージシャン。半ばプロなのだ。(ちなみに「“外山氏の耳は、ミスター・スポックの耳”と思ったのは私だけかな」と伊倶氏がふと漏らしていた。)
そこへいくと、パフォーマーとしては完全なアマチュアだった、トンデフ(いや失礼!)翔んでる世界的建築家が放った衝撃力たるや、まさしく目が飛んじゃう、メガトン級。
世界一の建築家による、世界最低の歌唱。
この驚天動地の価値の大逆転に対抗するためには、圧勝した石原氏さえ、もはや歌うしか術がなかったであろうことは明白だ。裕次郎のアニキの歌唱を聴いてみたい気はした。しかし、作家は結局、歌わず。「あなたは面白い!」と建築家にただただ畏怖の頭を垂れたのみであったのだ。
「コンクール参加者の入党を条件に、きっと名誉総裁を引き受けてくださるものと信じています。参院選東京選挙区への出馬を発表されましたが、コンクール実施は早くても今秋。スケジュール的にも問題ないはずです。」
伊具氏は力強くそう語った。
「「逆にせい音コン」では受賞者ガラ・コンサートも計画しています。日本一下手なピアノ・ヴァイオリン・フルート・声楽の各部門優勝者による合奏です。これは聴きものですよ。
曲はもちろん『銀座の恋の物語』。
文化功労者にして、日本芸術院会員でもある名誉総裁も、その破壊的な(いや、スケールの大きな)音程を引っ提げて、合唱に加わることになるでしょう。
会場は名誉総裁設計の「WINS銀座」。
賭けてもいい(ただし odds はないが)、必ずや次代の日本、いや世界を担う odd な(奇妙な)パフォーマンス集団誕生の記念すべき日となることでしょう。」
既存のコンクールの勝者だけが称えられる構造を変え、敗者にも栄誉を与える。「優劣」の価値の破壊、それによって達成される勝者と敗者との「共生」。
「逆にせい音コン」の開催が切に待たれる。
「ええ、あれはもう、今年一番です。いや、この10年の日本のパフォーマンス界を総括しても、出色のものでした。」
「あの方」は度肝を抜くスケールの大きさ、その芸術性と国際性の点で、他の候補者、例えばドクターや桜氏、その他今回の地方選において「キャラ」がまぶしかった宅氏、プリティ氏、羽柴氏、サスケ氏などを完全に凌駕していた、と伊倶氏は言う。
もちろん「選挙じゃ何も変わらないんだよっ!」という驚愕の政見放送がネット上で話題となった外山氏という稀有なパフォーマーはいたが、外山氏の本職はストリート・ミュージシャン。半ばプロなのだ。(ちなみに「“外山氏の耳は、ミスター・スポックの耳”と思ったのは私だけかな」と伊倶氏がふと漏らしていた。)
そこへいくと、パフォーマーとしては完全なアマチュアだった、トンデフ(いや失礼!)翔んでる世界的建築家が放った衝撃力たるや、まさしく目が飛んじゃう、メガトン級。
世界一の建築家による、世界最低の歌唱。
この驚天動地の価値の大逆転に対抗するためには、圧勝した石原氏さえ、もはや歌うしか術がなかったであろうことは明白だ。裕次郎のアニキの歌唱を聴いてみたい気はした。しかし、作家は結局、歌わず。「あなたは面白い!」と建築家にただただ畏怖の頭を垂れたのみであったのだ。
「コンクール参加者の入党を条件に、きっと名誉総裁を引き受けてくださるものと信じています。参院選東京選挙区への出馬を発表されましたが、コンクール実施は早くても今秋。スケジュール的にも問題ないはずです。」
伊具氏は力強くそう語った。
「「逆にせい音コン」では受賞者ガラ・コンサートも計画しています。日本一下手なピアノ・ヴァイオリン・フルート・声楽の各部門優勝者による合奏です。これは聴きものですよ。
曲はもちろん『銀座の恋の物語』。
文化功労者にして、日本芸術院会員でもある名誉総裁も、その破壊的な(いや、スケールの大きな)音程を引っ提げて、合唱に加わることになるでしょう。
会場は名誉総裁設計の「WINS銀座」。
賭けてもいい(ただし odds はないが)、必ずや次代の日本、いや世界を担う odd な(奇妙な)パフォーマンス集団誕生の記念すべき日となることでしょう。」
既存のコンクールの勝者だけが称えられる構造を変え、敗者にも栄誉を与える。「優劣」の価値の破壊、それによって達成される勝者と敗者との「共生」。
「逆にせい音コン」の開催が切に待たれる。
- [2007/05/25 20:41]
- 東虚実実新聞 |
- トラックバック(0) |
- コメント(3)
- この記事のURL |
- TOP ▲
格差社会に投じられた一石?− 「下手さ」を競う「全日本逆にせい音楽コンクール」(1)
【22日爺爺】
少子化も、ものかは。遂に小学生・女子のお稽古ごとNo.1に躍り出た「楽器・音楽」分野。
表面は「海の物とも、ヤマハの物とも」を装いつつ、内心は「あわよくばソリスト」と、誰もが今だからこその甘やかな夢に浸る時期は、ジー・バーの「お孫カワイや」症候群というフォローの風も受ける。
故に昨今、餓鬼(おっと失礼)楽器ビジネスは上げ潮らしい。(「わしも(否)もしもピアノが弾けたなら」−夢をもう一度紡ぎたいという、実のところは「トンデフ」(tone-deaf)な大人達の貢献も勿論あるのだが。)
特にヴァイオリンは、木の温もり。ロハス志向にぴったりらしく(木の伐採は環境破壊。弓の原木は絶滅の危機に瀕しているが)、人気が高い。「海千山千」の楽器商は、そこを狙って「いい値段の」(つまりは)「言い値段の」ヴァイオリンのトレード量を増やしているという。
そして、あまたある音楽コンクールへの出場者数は小学生を中心に急増中である。コンクールは受験同様、子供を選別するシステムであるので、優劣が端的に示される。
「コンクールというものは上手な順番に1位、2位と順位をつけます。スポーツなどの競技も皆そうですが、上位の順番だけがはっきり示されるシステムです。」
そう語るのは、「第1回ナムジュン・パイク国際音楽コンクール」優勝のサラリーマン・パフォーマー伊倶良雄氏だ。
「一方、予選で落ちたり、順位に入らなかった人は、一律に「だめでした」と評価されるだけ。下位はみな同じで、差はつけられない。そういうコンクールのシステムをぶち壊したかったんです。」
そこで、伊倶良雄氏が発案したのが、「誰が一番下手なのか」を決めるコンクール、つまり「全日本逆にせい音楽コンクール」なのである。
「一番下手な人から順番をつけるんです。これは面白いでしょ。一番下手ということを恥ずかしいと思うか、栄誉と考えるか。既存の優劣の価値観が混乱状態に陥る。こちらの狙いは、一番下手な人に栄誉を与えることです。
素のままで下手な人と、上手い人が下手に弾こうとするのと、どちらが下手か。そんな興味深い勝負も展開されるでしょう。」
実際に行われれば、反カルチャーとして相当の衝撃を世間に与えるだろうが、最大の課題は一番下手な人にどのような栄誉を贈るかということだ。
一つは賞金の額をはずむこと。そしてもう一つは・・・
伊倶氏には取っておきの秘策があるという。
少子化も、ものかは。遂に小学生・女子のお稽古ごとNo.1に躍り出た「楽器・音楽」分野。
表面は「海の物とも、ヤマハの物とも」を装いつつ、内心は「あわよくばソリスト」と、誰もが今だからこその甘やかな夢に浸る時期は、ジー・バーの「お孫カワイや」症候群というフォローの風も受ける。
故に昨今、餓鬼(おっと失礼)楽器ビジネスは上げ潮らしい。(「わしも(否)もしもピアノが弾けたなら」−夢をもう一度紡ぎたいという、実のところは「トンデフ」(tone-deaf)な大人達の貢献も勿論あるのだが。)
特にヴァイオリンは、木の温もり。ロハス志向にぴったりらしく(木の伐採は環境破壊。弓の原木は絶滅の危機に瀕しているが)、人気が高い。「海千山千」の楽器商は、そこを狙って「いい値段の」(つまりは)「言い値段の」ヴァイオリンのトレード量を増やしているという。
そして、あまたある音楽コンクールへの出場者数は小学生を中心に急増中である。コンクールは受験同様、子供を選別するシステムであるので、優劣が端的に示される。
「コンクールというものは上手な順番に1位、2位と順位をつけます。スポーツなどの競技も皆そうですが、上位の順番だけがはっきり示されるシステムです。」
そう語るのは、「第1回ナムジュン・パイク国際音楽コンクール」優勝のサラリーマン・パフォーマー伊倶良雄氏だ。
「一方、予選で落ちたり、順位に入らなかった人は、一律に「だめでした」と評価されるだけ。下位はみな同じで、差はつけられない。そういうコンクールのシステムをぶち壊したかったんです。」
そこで、伊倶良雄氏が発案したのが、「誰が一番下手なのか」を決めるコンクール、つまり「全日本逆にせい音楽コンクール」なのである。
「一番下手な人から順番をつけるんです。これは面白いでしょ。一番下手ということを恥ずかしいと思うか、栄誉と考えるか。既存の優劣の価値観が混乱状態に陥る。こちらの狙いは、一番下手な人に栄誉を与えることです。
素のままで下手な人と、上手い人が下手に弾こうとするのと、どちらが下手か。そんな興味深い勝負も展開されるでしょう。」
実際に行われれば、反カルチャーとして相当の衝撃を世間に与えるだろうが、最大の課題は一番下手な人にどのような栄誉を贈るかということだ。
一つは賞金の額をはずむこと。そしてもう一つは・・・
伊倶氏には取っておきの秘策があるという。
- [2007/05/25 00:35]
- 東虚実実新聞 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
「第1回ナムジュン・パイク国際音楽コンクール」伊倶良雄さんが第1位!−「東虚実実新聞」の記事より(8)
日本のおやじパフォーマー、世界に羽ばたく!
【9日痔時】
先ごろ行なわれた「第1回ナムジュン・パイク国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門において、日本の伊倶良雄さんが見事、第1位に輝いた。
ビデオ・アートの創始者として、パフォーミング・アーティストとして、現代美術・音楽の世界に偉大な足跡を残したナムジュン・パイク氏の没後1周年を記念して開かれた今回のコンクール。ヴァイオリン部門の課題曲に選ばれたのは、1962年、一世を風靡した若手前衛パフォーマンス・ユニット「フルクサス」でパイク氏自身により「演奏された」ことがある、One for Violin Solo という難曲であった。
今回のヴァイオリン部門参加者のレベルは高く、それぞれ思い思いの解釈により、この曲の作品世界を意欲的に表現した。原典に忠実に、一瞬にしてヴァイオリンを叩き壊す、その思い切りの良さをアピールした者。破壊するまでのプロセスの所作を、緩やかにたっぷりと歌うように演じた者。ネックを膝でへし折り、胴を手刀で叩き割り、最後に弦を噛み切るという恐ろしき荒業に出た者・・・
それぞれインパクトのあるパフォーマンスであったが、どれにも共通する欠点が一つ存在した。それは、破壊されたヴァイオリンがすべて「安価」であったことだ。
しかし、日本から参加した伊倶良雄さんは唯一、違った。彼は1908年製“ステファノ・スカランペラ”を携えて舞台に現れたのだ。
本当にこの美しいイタリア・モダンの銘器を無き物にするのだろうか。客席は異様な緊張感と、やがて訪れるであろう悲壮な、モッタイナイ瞬間への期待と不安に包まれた。すでにその時点で勝負は決まっていた。パフォーマンスは意外性が肝なのだ。
日本の典型的なサラリーマンの衣服を身につけた伊倶良雄さんは無表情に、いかなる装飾も躊躇もなく、その銘器をあっさりと叩き壊してしまった。
その瞬間、悲鳴やため息を発した聴衆は、他の「安物」とは絶対的に異なる、えも言われぬまろやかな破裂音を確かに耳にしたのである。100年の時の流れの蓄積を一瞬にして葬り去る無謀な行為。自らの1年分の収入を優に超える金額の資産を、生活も家族も顧みず、無慈悲に破壊する自暴自棄な行為。
しかし、神をも畏れぬこの究極の浪費行為は、逆に非功利主義的な崇高性を帯び、美しくさえあった。
「演奏」の後の余韻もまた格別のものがあった。その救いようのない哀感と悔悟の濃密な空気は、暫くホール内から消え去ることはなかった。
永遠に語り継がれるであろうメッセージ性と芸術性を湛えた、第1位にふさわしい「演奏」であったと言えよう。
そしてガラ・コンサートも、当然のことながら、パフォーマンス。
ヨーコ・オノ: Wall Piece of Orchestra。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の前に、指揮者サイモン・ラトル氏と、「安価な」分数ヴァイオリンを携えた伊倶良雄さんが登場した。
伊倶さんがお辞儀をした途端、楽団員とラトル氏はさっさと退場。おまけにホールの聴衆も全員退場。
独り取り残された伊倶さんが、誰もいないホールの壁に向かって、ゴセックのガボット冒頭部分をギゴギゴと弾く。
記憶に残る名演であった。
【9日痔時】
先ごろ行なわれた「第1回ナムジュン・パイク国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門において、日本の伊倶良雄さんが見事、第1位に輝いた。
ビデオ・アートの創始者として、パフォーミング・アーティストとして、現代美術・音楽の世界に偉大な足跡を残したナムジュン・パイク氏の没後1周年を記念して開かれた今回のコンクール。ヴァイオリン部門の課題曲に選ばれたのは、1962年、一世を風靡した若手前衛パフォーマンス・ユニット「フルクサス」でパイク氏自身により「演奏された」ことがある、One for Violin Solo という難曲であった。
今回のヴァイオリン部門参加者のレベルは高く、それぞれ思い思いの解釈により、この曲の作品世界を意欲的に表現した。原典に忠実に、一瞬にしてヴァイオリンを叩き壊す、その思い切りの良さをアピールした者。破壊するまでのプロセスの所作を、緩やかにたっぷりと歌うように演じた者。ネックを膝でへし折り、胴を手刀で叩き割り、最後に弦を噛み切るという恐ろしき荒業に出た者・・・
それぞれインパクトのあるパフォーマンスであったが、どれにも共通する欠点が一つ存在した。それは、破壊されたヴァイオリンがすべて「安価」であったことだ。
しかし、日本から参加した伊倶良雄さんは唯一、違った。彼は1908年製“ステファノ・スカランペラ”を携えて舞台に現れたのだ。
本当にこの美しいイタリア・モダンの銘器を無き物にするのだろうか。客席は異様な緊張感と、やがて訪れるであろう悲壮な、モッタイナイ瞬間への期待と不安に包まれた。すでにその時点で勝負は決まっていた。パフォーマンスは意外性が肝なのだ。
日本の典型的なサラリーマンの衣服を身につけた伊倶良雄さんは無表情に、いかなる装飾も躊躇もなく、その銘器をあっさりと叩き壊してしまった。
その瞬間、悲鳴やため息を発した聴衆は、他の「安物」とは絶対的に異なる、えも言われぬまろやかな破裂音を確かに耳にしたのである。100年の時の流れの蓄積を一瞬にして葬り去る無謀な行為。自らの1年分の収入を優に超える金額の資産を、生活も家族も顧みず、無慈悲に破壊する自暴自棄な行為。
しかし、神をも畏れぬこの究極の浪費行為は、逆に非功利主義的な崇高性を帯び、美しくさえあった。
「演奏」の後の余韻もまた格別のものがあった。その救いようのない哀感と悔悟の濃密な空気は、暫くホール内から消え去ることはなかった。
永遠に語り継がれるであろうメッセージ性と芸術性を湛えた、第1位にふさわしい「演奏」であったと言えよう。
そしてガラ・コンサートも、当然のことながら、パフォーマンス。
ヨーコ・オノ: Wall Piece of Orchestra。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の前に、指揮者サイモン・ラトル氏と、「安価な」分数ヴァイオリンを携えた伊倶良雄さんが登場した。
伊倶さんがお辞儀をした途端、楽団員とラトル氏はさっさと退場。おまけにホールの聴衆も全員退場。
独り取り残された伊倶さんが、誰もいないホールの壁に向かって、ゴセックのガボット冒頭部分をギゴギゴと弾く。
記憶に残る名演であった。
- [2007/02/14 23:53]
- 東虚実実新聞 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
伴奏ピアニスト隠れ家バー・極秘潜入レポート(3)−「東虚実実新聞」の記事より(7)
「伴奏ピアニストを見た!−華麗なる鍵盤の花の甘い蜜の誘惑。エリ−ト伴奏ピアニストの昼と夜2つの顔に隠された秘密」(3)
【7日ユー美愛】
「ああ、「太腕繁盛記」。この頼りになる腕っ節に私も抱かれてみたいわ。」と、酔っ払ってきたY恵がK子の剥き出しの二の腕を人差し指でツンツン。
「ちょっと、あんた。G先生みたいなことしないでよ。」
「えっ!?」Y恵とN美が思わず顔を見合わせる。
「K子ちゃん。それって、どういうこと?」
「だからG先生よ。4月に国際コンの伴奏合わせがあった時にさあ。あたしのこのビルドアップされた二の腕をつかんで、なんて言ったと思う?」
「なんて言ったの?」
「「ねえ、君。この曲のこの部分、伴奏のクリアな音は一切要らないんだよね。他のところでは君のクリアーな音はいいんだけどさ。」とか何とか言っちゃって。」
「へーっ。」
「ま、鍵盤のタッチの問題だからさ、個性出ちゃうわけよ。あたしのクリアーな音が気に入らないのなら、それはもう仕方がない。」
「・・・」
「要するにその部分はふ抜けた音でいいってわけよ。」
「ま、そうね。」
「あたし、むかついた。ふ抜けの音欲しけりゃさあ。はなからあたしなんかに声かけずに、音大出たて系のコワッパ共を雇えよって。」
「あんた、そんなこと御大G先生に本当に申したてまつったの?」
「言いますかいな。黙ってた。」
「ふー。」
「で、黙ってたら、Gの野郎、あたしの命の次に大事な上腕三頭筋を人差し指でツンツンと突っついてきやがった。」
「え!」
「そして、何て言ったと思う?」
「・・・」
「「中にたっぷり詰まった脂肪を吸い出しちゃうぞ!」って言いやがったんだぜ。」
「おい、そりゃあ、セクハラだ!」とY恵。
「そう、セクハラ。でもさ。「いやだあ、G先生ったら。これは脂肪じゃなくて、私の場合、全部筋肉なんですう。ほら、硬いでしょ?」って力こぶ作って、黄色い声で笑って受け流してしまっている自分がほんとに、ほんとに悲しくて情けなかったわ。」
「ああ、悲しい。」
「悲しいでしょ。だから飲んで、Y恵ちゃん、N美さん。マスター、焼酎ロックで2杯!」
一同、どんよりと暗くなる。
と、突然
「ああ、愛しのファッツィさま!」とK子が陰鬱な気分を払拭するように甘ったるい声をあげた。そして、傍らにあるグランドピアノに向かう。
このバーが伴奏ピアニスト御用達なのは、このピアノがあるからでもある。
イタリアの「ファツィオリ」。希少価値の高い、手作りの一品。
スタインともベーゼンともベヒシュタとも異なる、まったく異次元の音色を奏でることができる名器。
K子は合計10時間にも及ぶ伴奏業務の疲れなどものかわ。やっと自分が弾きたい曲が弾けるのだと、指をポリポリならして、「愛しのファッツイさま」と戯れはじめるのであった。
ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」。
夜のしじまをクリアなK子の音色が縦横無尽に駆け巡る。
華麗なる鍵盤の花の夜の顔は、間違いなくソロピアニストのそれであった。
【7日ユー美愛】
「ああ、「太腕繁盛記」。この頼りになる腕っ節に私も抱かれてみたいわ。」と、酔っ払ってきたY恵がK子の剥き出しの二の腕を人差し指でツンツン。
「ちょっと、あんた。G先生みたいなことしないでよ。」
「えっ!?」Y恵とN美が思わず顔を見合わせる。
「K子ちゃん。それって、どういうこと?」
「だからG先生よ。4月に国際コンの伴奏合わせがあった時にさあ。あたしのこのビルドアップされた二の腕をつかんで、なんて言ったと思う?」
「なんて言ったの?」
「「ねえ、君。この曲のこの部分、伴奏のクリアな音は一切要らないんだよね。他のところでは君のクリアーな音はいいんだけどさ。」とか何とか言っちゃって。」
「へーっ。」
「ま、鍵盤のタッチの問題だからさ、個性出ちゃうわけよ。あたしのクリアーな音が気に入らないのなら、それはもう仕方がない。」
「・・・」
「要するにその部分はふ抜けた音でいいってわけよ。」
「ま、そうね。」
「あたし、むかついた。ふ抜けの音欲しけりゃさあ。はなからあたしなんかに声かけずに、音大出たて系のコワッパ共を雇えよって。」
「あんた、そんなこと御大G先生に本当に申したてまつったの?」
「言いますかいな。黙ってた。」
「ふー。」
「で、黙ってたら、Gの野郎、あたしの命の次に大事な上腕三頭筋を人差し指でツンツンと突っついてきやがった。」
「え!」
「そして、何て言ったと思う?」
「・・・」
「「中にたっぷり詰まった脂肪を吸い出しちゃうぞ!」って言いやがったんだぜ。」
「おい、そりゃあ、セクハラだ!」とY恵。
「そう、セクハラ。でもさ。「いやだあ、G先生ったら。これは脂肪じゃなくて、私の場合、全部筋肉なんですう。ほら、硬いでしょ?」って力こぶ作って、黄色い声で笑って受け流してしまっている自分がほんとに、ほんとに悲しくて情けなかったわ。」
「ああ、悲しい。」
「悲しいでしょ。だから飲んで、Y恵ちゃん、N美さん。マスター、焼酎ロックで2杯!」
一同、どんよりと暗くなる。
と、突然
「ああ、愛しのファッツィさま!」とK子が陰鬱な気分を払拭するように甘ったるい声をあげた。そして、傍らにあるグランドピアノに向かう。
このバーが伴奏ピアニスト御用達なのは、このピアノがあるからでもある。
イタリアの「ファツィオリ」。希少価値の高い、手作りの一品。
スタインともベーゼンともベヒシュタとも異なる、まったく異次元の音色を奏でることができる名器。
K子は合計10時間にも及ぶ伴奏業務の疲れなどものかわ。やっと自分が弾きたい曲が弾けるのだと、指をポリポリならして、「愛しのファッツイさま」と戯れはじめるのであった。
ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」。
夜のしじまをクリアなK子の音色が縦横無尽に駆け巡る。
華麗なる鍵盤の花の夜の顔は、間違いなくソロピアニストのそれであった。
- [2006/06/07 19:51]
- 東虚実実新聞 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
伴奏ピアニスト隠れ家バー・極秘潜入レポート(2)−「東虚実実新聞」の記事より(6)
「伴奏ピアニストを見た!−華麗なる鍵盤の花の甘い蜜の誘惑。エリ−ト伴奏ピアニストの昼と夜2つの顔に隠された秘密」(2)
【5日進化しいや】
「えっ! あんた伴奏合わせ代にも遠距離価格を適用しちゃったの?」とY恵。
「そう、適用した。今後、伴奏合わせ代は伴奏代の半額とさせていただくことにした。」きっぱりとK子が言った。
首都圏以外で行われるコンクールの場合、伴奏ピアニストは遠征しなければならない。時には宿泊を伴うこともある。交通費と宿泊費は実費支給であるが、伴奏ピアニストにとっては遠征の間は他の伴奏の仕事を受けることができないわけで、その間の逸失収入が考慮される必要がある。従って出張を伴う場合の伴奏代は首都圏でのそれより割り増しとなるのが通例である。
K子の場合、首都圏での伴奏代が2万円、関西では3万円である。
しかしこれまではコンクール本番前の伴奏合わせ代は一律の金額であった。(K子の場合は1万円。)関西のコンクールに出場する場合も、伴奏合わせは師事する先生のレッスン室、あるいはスタジオやホールを借りて行われる。つまり首都圏内で行うわけで、遠距離割り増しなしの一律料金が普通であったのだ。
K子はそこに「伴奏合わせ代は伴奏代の半額」という新価格方式導入を宣言したのである。伴奏という仕事そのものの減少が懸念される「マイコン」無伴奏化の影響への対策の一環と言えよう。
「K子ちゃんの場合は国際コンの仕事もあるし。そんなに悲観することはないでしょう。」と超ベテラン官立大学出身のN美が言う。
国際コンクールの場合は、当然課題曲水準も上がり、責任は重大。宿泊による拘束期間も長い。帰国後の心身への負担、疲労なども勘案して、伴奏代も相当の高額に設定されている。
「いや。あたしゃ、自分を抑えるのが苦手なのよ、N美さん。」とK子。
「何言ってるの。この業界で、もうあんたも10年。自分抑えてなんぽの世界ってことぐらいわかってるでしょ。」とY恵。
「客観的に見てるとK子ちゃんにとっては「じぇにの花はしっとりと濡れている」って感じね。」とN美が混ぜっ返す。
「何のこと、それ? N美さん。」とK子。
「知らないの? 昔、テレビドラマであったでしょ。新玉三千代主演『細腕繁盛記』のナレーションのもじりよ。」
「ハッハッハ。この人の場合は『太腕繁盛記』ってわけだ。」とY恵。
「そう。K子ちゃんにとっちゃあ、「銭の花」は濡れ手であわってことよ。」
「そんなこと、あーりません。」とK子。
【5日進化しいや】
「えっ! あんた伴奏合わせ代にも遠距離価格を適用しちゃったの?」とY恵。
「そう、適用した。今後、伴奏合わせ代は伴奏代の半額とさせていただくことにした。」きっぱりとK子が言った。
首都圏以外で行われるコンクールの場合、伴奏ピアニストは遠征しなければならない。時には宿泊を伴うこともある。交通費と宿泊費は実費支給であるが、伴奏ピアニストにとっては遠征の間は他の伴奏の仕事を受けることができないわけで、その間の逸失収入が考慮される必要がある。従って出張を伴う場合の伴奏代は首都圏でのそれより割り増しとなるのが通例である。
K子の場合、首都圏での伴奏代が2万円、関西では3万円である。
しかしこれまではコンクール本番前の伴奏合わせ代は一律の金額であった。(K子の場合は1万円。)関西のコンクールに出場する場合も、伴奏合わせは師事する先生のレッスン室、あるいはスタジオやホールを借りて行われる。つまり首都圏内で行うわけで、遠距離割り増しなしの一律料金が普通であったのだ。
K子はそこに「伴奏合わせ代は伴奏代の半額」という新価格方式導入を宣言したのである。伴奏という仕事そのものの減少が懸念される「マイコン」無伴奏化の影響への対策の一環と言えよう。
「K子ちゃんの場合は国際コンの仕事もあるし。そんなに悲観することはないでしょう。」と超ベテラン官立大学出身のN美が言う。
国際コンクールの場合は、当然課題曲水準も上がり、責任は重大。宿泊による拘束期間も長い。帰国後の心身への負担、疲労なども勘案して、伴奏代も相当の高額に設定されている。
「いや。あたしゃ、自分を抑えるのが苦手なのよ、N美さん。」とK子。
「何言ってるの。この業界で、もうあんたも10年。自分抑えてなんぽの世界ってことぐらいわかってるでしょ。」とY恵。
「客観的に見てるとK子ちゃんにとっては「じぇにの花はしっとりと濡れている」って感じね。」とN美が混ぜっ返す。
「何のこと、それ? N美さん。」とK子。
「知らないの? 昔、テレビドラマであったでしょ。新玉三千代主演『細腕繁盛記』のナレーションのもじりよ。」
「ハッハッハ。この人の場合は『太腕繁盛記』ってわけだ。」とY恵。
「そう。K子ちゃんにとっちゃあ、「銭の花」は濡れ手であわってことよ。」
「そんなこと、あーりません。」とK子。
- [2006/06/05 19:58]
- 東虚実実新聞 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
伴奏ピアニスト隠れ家バー・極秘潜入レポート(1)−「東虚実実新聞」の記事より(5)
「伴奏ピアニストを見た!−華麗なる鍵盤の花の甘い蜜の誘惑。エリ−ト伴奏ピアニストの昼と夜2つの顔に隠された秘密」(1)
【4日ジン貨しや】「マイコン」予選曲無伴奏化という厳しい時代の荒波に、敢然と戦いを挑むプロの伴奏ピアニストたち。本紙記者が彼女らの生態を取材すべく、都内某所にある伴奏ピアニスト御用達バーに潜入。これはその迫真のレポートである。
ここは都内某所にある隠れ家風バー。伴奏ピアニストの溜まり場となっている。
すべてが顧客(ヴァイオリンの先生・生徒・保護者)の意向中心で回る伴奏ピアニスト業界。ソロピアノを弾かせても一流の腕前の彼女たちのプライドは高いが、こと伴奏の仕事では自らを徹底的に抑制しなければならない。
音楽の面だけでなくあらゆる面で低姿勢を貫き、「伴奏です、ハイそうです。」と顧客の意向に唯々諾々と従うのが伴奏ピアニストの宿命なのである。
そういう仕事では必然的にストレスが溜まる。発散の場がこのバー。飲まなきゃ、やってられないのである。
「そんじょそこらの4分の3くらいアマが入ったソロピアニストに比べりゃあよ、」
長時間の伴奏合わせレッスンを終え、乾き果てた喉をゴロゴロいわせてやって来たK子。駆けつけジントニックをカッカッとたて続けに2杯あおると、ブラウスの袖をノースリーブ状態にまくり上げた。あらわになる「黄金の二の腕」。
「ほんとに私達ってかわいそうじゃない。」と言うと、グビーッと3杯目。
「いかん、発泡する酒は。ねえ、マスター。あたし、焼酎。ロックで。」
「ねえねえ、K子ちゃん。一体何がかわいそうなの。いっぱい稼いじゃってさあ。今日は何人だったの?」と、某私立音大同期のY恵。
「今日は朝から、お昼挟んで6人。明日も6人。」
「ってことは、2日で12万円か。いいわね・・・。あんたの場合は楽勝で。」とY恵。
ちなみにY恵の場合は12人の伴奏合わせをすると、トータル9万6千円となる。同じ音大同期といっても、K子の場合は食い込んでいる先の門下のセレブ具合やプロ奏者の伴奏経験などキャリアの点でY恵より一枚上。ひとりあたりの伴奏合わせ代が高いのである。
そしてあらゆる点で従順だが、唯一伴奏代の決定権だけは自らが有している伴奏ピアニストという職業柄、「ふっかけもん」勝ちという側面もある。Y恵はK子のさばけた押しの強さをうらやましいと思っている。
「ああ、12人のうちね、3人は割り増し。関西のコンクール受けるからさ。」とK子。
【4日ジン貨しや】「マイコン」予選曲無伴奏化という厳しい時代の荒波に、敢然と戦いを挑むプロの伴奏ピアニストたち。本紙記者が彼女らの生態を取材すべく、都内某所にある伴奏ピアニスト御用達バーに潜入。これはその迫真のレポートである。
ここは都内某所にある隠れ家風バー。伴奏ピアニストの溜まり場となっている。
すべてが顧客(ヴァイオリンの先生・生徒・保護者)の意向中心で回る伴奏ピアニスト業界。ソロピアノを弾かせても一流の腕前の彼女たちのプライドは高いが、こと伴奏の仕事では自らを徹底的に抑制しなければならない。
音楽の面だけでなくあらゆる面で低姿勢を貫き、「伴奏です、ハイそうです。」と顧客の意向に唯々諾々と従うのが伴奏ピアニストの宿命なのである。
そういう仕事では必然的にストレスが溜まる。発散の場がこのバー。飲まなきゃ、やってられないのである。
「そんじょそこらの4分の3くらいアマが入ったソロピアニストに比べりゃあよ、」
長時間の伴奏合わせレッスンを終え、乾き果てた喉をゴロゴロいわせてやって来たK子。駆けつけジントニックをカッカッとたて続けに2杯あおると、ブラウスの袖をノースリーブ状態にまくり上げた。あらわになる「黄金の二の腕」。
「ほんとに私達ってかわいそうじゃない。」と言うと、グビーッと3杯目。
「いかん、発泡する酒は。ねえ、マスター。あたし、焼酎。ロックで。」
「ねえねえ、K子ちゃん。一体何がかわいそうなの。いっぱい稼いじゃってさあ。今日は何人だったの?」と、某私立音大同期のY恵。
「今日は朝から、お昼挟んで6人。明日も6人。」
「ってことは、2日で12万円か。いいわね・・・。あんたの場合は楽勝で。」とY恵。
ちなみにY恵の場合は12人の伴奏合わせをすると、トータル9万6千円となる。同じ音大同期といっても、K子の場合は食い込んでいる先の門下のセレブ具合やプロ奏者の伴奏経験などキャリアの点でY恵より一枚上。ひとりあたりの伴奏合わせ代が高いのである。
そしてあらゆる点で従順だが、唯一伴奏代の決定権だけは自らが有している伴奏ピアニストという職業柄、「ふっかけもん」勝ちという側面もある。Y恵はK子のさばけた押しの強さをうらやましいと思っている。
「ああ、12人のうちね、3人は割り増し。関西のコンクール受けるからさ。」とK子。
- [2006/06/04 02:20]
- 東虚実実新聞 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
伴奏代の値上げは必至か−「東虚実実新聞」の記事より(4)
「もう限界や。わたしらの声も聞いて!」
【3日痛る足す】二の腕が資本、伴奏してよと言われれば地の果てまでも。おけいこヴァイオリン業界を支える鍵盤の花、伴奏ピアニストたちの間で、「マイコン」予選無伴奏化をめぐる動揺が広がりを見せている。
プロの伴奏ピアニストRさん(35)。某音大卒後、欧州の音楽大学でディプロマを取得。プロ演奏家との共演も多い、この道10年の彼女に話を聞くことができた。
大阪市内の某門下の発表会の仕事を終えたばかりの彼女が困惑した表情で語る。
「やってられませんね。「マイコン」の無伴奏化はほんまに大ショック。「『マイコン』小学校の参加者、大阪大会は言うても50人くらい。あんたで言えば、去年は5人くらい弾いてるだけやないか。それがなくなるだけや。気にせんでもええで。」ってヴァイオリンの先生らからは気休め言われますけど、ほんまの話、影響が大きいんですわ。
なんや435万円の経済的損失やろ、っていう記事が載ってましたが、そんなんで済みますかいな。全国の伴奏ピアニスト全体で、その数倍から10倍は超える減収になるんと違いますか。
それが証拠に今日の門下生発表会、見てください。さっそくローデとパガニーニのカプリース弾く子が続出。ほとんどの子が音程もまともにあってへんのにねえ。そういう子は伴奏付きの曲やって、適当にごまかしとけばええもんを。阿呆ですわ。わたしらがうまく下支えしてやって、はじめて発表会の舞台にあがれるレベルになるいうことがわからへんのですわ。なんですか。えらそうに無伴奏で。
ああ、ほんま腹立つわ。でも生徒に当たってもしょうがないわねえ。3年くらい前から中学の「マイコン」が無伴奏曲増やしてきたでしょ。パイは少なくなる一方やから、それを見越して同業者間で醜い争いが起きてますねん。そう、伴奏する生徒の奪い合い。そうなると関西では案の定、価格競争ですわ。伴奏代のダンピングが始まりましたね。
わたしらみたいなレベルの伴奏ピアニストは、プロといっても、発表会やコンクールの伴奏代と、ピアノのレッスン収入が主体。大阪のオケのメンバーのリサイタルとか、レッスンプロの先生のリサイタル、たまに二流以下の外タレの大阪公演がある時に、伴奏ピアニストのお声がかかる程度。これらは仕事としては稀、数が少ないんですわ。
いろんな門下の発表会で、幼児から大学生までのおけいこニストの伴奏を務めるという、地道な落穂拾いをしていく以外、生きていく道があらしません。その中でちょっと弾ける子は、コンクールに出ますでしょ。その伴奏合わせがある。芋づる式に仕事が増えていきます。私ら、そういう「金のなる木」予備軍の優秀な子を落穂拾いの中からどうやって見つけて、うまいこと渡りつけていくかが命ですわ。
それにしてもお互い同士で喧嘩してても職場は守っていけません。何人かの人と横のつながり持とうと、今動いています。なかなか難しいけど、横のつながりできたら思い切って伴奏代の値上げも打ち出したい思うてます。」
【3日痛る足す】二の腕が資本、伴奏してよと言われれば地の果てまでも。おけいこヴァイオリン業界を支える鍵盤の花、伴奏ピアニストたちの間で、「マイコン」予選無伴奏化をめぐる動揺が広がりを見せている。
プロの伴奏ピアニストRさん(35)。某音大卒後、欧州の音楽大学でディプロマを取得。プロ演奏家との共演も多い、この道10年の彼女に話を聞くことができた。
大阪市内の某門下の発表会の仕事を終えたばかりの彼女が困惑した表情で語る。
「やってられませんね。「マイコン」の無伴奏化はほんまに大ショック。「『マイコン』小学校の参加者、大阪大会は言うても50人くらい。あんたで言えば、去年は5人くらい弾いてるだけやないか。それがなくなるだけや。気にせんでもええで。」ってヴァイオリンの先生らからは気休め言われますけど、ほんまの話、影響が大きいんですわ。
なんや435万円の経済的損失やろ、っていう記事が載ってましたが、そんなんで済みますかいな。全国の伴奏ピアニスト全体で、その数倍から10倍は超える減収になるんと違いますか。
それが証拠に今日の門下生発表会、見てください。さっそくローデとパガニーニのカプリース弾く子が続出。ほとんどの子が音程もまともにあってへんのにねえ。そういう子は伴奏付きの曲やって、適当にごまかしとけばええもんを。阿呆ですわ。わたしらがうまく下支えしてやって、はじめて発表会の舞台にあがれるレベルになるいうことがわからへんのですわ。なんですか。えらそうに無伴奏で。
ああ、ほんま腹立つわ。でも生徒に当たってもしょうがないわねえ。3年くらい前から中学の「マイコン」が無伴奏曲増やしてきたでしょ。パイは少なくなる一方やから、それを見越して同業者間で醜い争いが起きてますねん。そう、伴奏する生徒の奪い合い。そうなると関西では案の定、価格競争ですわ。伴奏代のダンピングが始まりましたね。
わたしらみたいなレベルの伴奏ピアニストは、プロといっても、発表会やコンクールの伴奏代と、ピアノのレッスン収入が主体。大阪のオケのメンバーのリサイタルとか、レッスンプロの先生のリサイタル、たまに二流以下の外タレの大阪公演がある時に、伴奏ピアニストのお声がかかる程度。これらは仕事としては稀、数が少ないんですわ。
いろんな門下の発表会で、幼児から大学生までのおけいこニストの伴奏を務めるという、地道な落穂拾いをしていく以外、生きていく道があらしません。その中でちょっと弾ける子は、コンクールに出ますでしょ。その伴奏合わせがある。芋づる式に仕事が増えていきます。私ら、そういう「金のなる木」予備軍の優秀な子を落穂拾いの中からどうやって見つけて、うまいこと渡りつけていくかが命ですわ。
それにしてもお互い同士で喧嘩してても職場は守っていけません。何人かの人と横のつながり持とうと、今動いています。なかなか難しいけど、横のつながりできたら思い切って伴奏代の値上げも打ち出したい思うてます。」
- [2006/05/18 02:00]
- 東虚実実新聞 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲


