「第62回全日本学生音楽コンクール」東京大会−小学校の部・本選 モーツァルトについて 

叱咤して頂いたなな様、過分なお言葉を頂いたぱりじぇんぬ様に深謝申し上げます。そして、エールを送って頂いた熊本課長にも。

自分で読み返してみても、「小粋」には程遠い稚拙さと、文体のほつれは明らかです。修行が足りません。

ところで、小学校の部・本選の演奏について、「曲全体の流れ」という着眼点からのご意見をお寄せ頂いた。

「他の皆様がどう見たか、コンクールの視点とはどういうものなのか、等御意見の呼び水になればと思います。もちろん貴サイトの趣旨に反する気はございませんので掲示の可否、文章修正はお任せいたします」と、当ブログのスタンスに対するご配慮まで頂いた意見である。

<<今回の東京大会の結果をみていると、全国大会進出には音をひとつひとつを積み上げるような演奏が評価されるのかな...という気がしました。曲全体の総体というか流れよりも、一音毎もしくは一小節毎に極端な抑揚をつけて技術をアピールするというか...。

演奏を楽しませていただく立場であれば、曲全体の流れを心地よくふるまってくれるような演奏を期待するのではないか、従いこうしたコンクールもそうした評価がもっと高くなってもよいのでは?という気がします。

音程やカスレ音という意味では、進出された方々が必ずしも完璧だったと思われず、同程度の方は他に何人もいたと思います。それだけに「小節毎の技術アピール」への高い評価がかなり明瞭に感じられ、残念な気がします。(流れるような、という意味では充分全国大会に行ける演奏だったと思われる方が選ばれなかったのは、とても残念です。) >>

予選のバッハも、本選のモーツァルトも、主要な国際コンクール等では必ず課題曲に選定される。オーケストラの入団試験では、よくモーツァルトの協奏曲が課される。

「エッケルマンによれば、ゲエテは、モオツァルトに就いて一風変った考え方をしていたそうである。如何にも美しく、親しみ易く、誰でも真似したがるが、一人として成功しなかった。幾時か誰かが成功するかも知れぬという様な事さえ考えられぬ。元来がそういう仕組に出来上っている音楽だからだ。」
(小林秀雄『モオツァルト』より)

そんな音楽だから、演奏する場合も、一生勉強し続けなくてはならない。長い道のりである。しかも、終局点に正解はないのかもしれない。

昨年の「チャイコフスキー国際」の第1ラウンドでは、「最大の難点のほとんどすべてはモーツァルトの協奏曲の演奏において生じていた」という公式サイトの論評が印象的であった。「学生音コン」では、2006年の中学校の部・本選のモーツァルト:5番の演奏が、様々な論議を呼んだことは記憶に新しい。

「捕らえたばかりの小鳥の、野生のままの言い様もなく不安定な美しい命を、籠のなかでどういう具合に見事に生かすか、というところに、彼の全努力は集中されている様に見える。生まれたばかりの不安定な主題は、不安に堪え切れず動こうとする、まるで己を明らかにしたいと希う心の動きに似ている。だが、出来ない。それは本能的に転調する。若し、主題が明確になったら死んで了う。或る特定の観念なり感情なりと馴れ合って了うから。これが、モオツァルトの守り通した作曲上の信条であるらしい。」
(小林秀雄『モオツァルト』より)

そのいたいけな命を大切に籠の中で保護しながら、決して流れを止めてはならない。華やかに、麗しく、軽快に、ソロ・ヴァイオリンの妙技を示しつつ、「ギャラント」と呼ばれる形式の流れの中に、小節毎の表現も有機的に収めていく。そういった事が、一定の完成形には求められもするのだろう。

しかし、コンクールの課題曲としてはどうなのか?

これから先、勉強し続けていくべきモーツァルトであるからこそ、例えば小学校の部では、どのレヴェルで良しとするのか。難題ではあるが、課題曲に選定された以上、解釈は様々、審査員の好みも様々、モーツァルトであれば尚更、という解答ではどうも納得が行かないのである。

モーツァルトにはいつも、そういう悩ましさが付きまとう。

コメント

コンクーラーハハさまへ

コメントありがとうございます。

「コンクールは深く考えないで」まさに至言かと存じますが、もうひとつ深く考えないで頂きたいと思うことがございまして・・・

>学生コンクールに関しては、イグ様のお子様が全国大会に進まれたこと、すばらしいことと思います。

いや、あのお(汗)。違うんです。私の子はコンクーラではありません、去年就職しました。本当です。

「すべてのおけいこニストのため」のこのブログの更新と、「自分の子」のためのパパアッチ的活動、これはどう考えても両立不可能だと私は思っております。

深く考えないほうが

いつも楽しませていただいております。学生コンクールに関しては、イグ様のお子様が全国大会に進まれたこと、すばらしいことと思います。ただ、このコンクール、必ずしも曲の分析、解釈、奏法などにおいて、深く考えないで淡々と無難に弾いたもの勝ちという気がします。指が絡まろうが、音が外れようが、止まろうが、通る人は通るのです。そして本選では点数がつけやすいようにしていることは明らかです。予選の時点で今年の一位は○○の予想通り、本選で一位。。裏事情にあきれるばかりです。コンクールとはそんなものです、残念ながら(笑)
  • [2008/11/10 11:42]
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  • コンクーラーハハ
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ロンティボー1次予選結果です。テレフォンサーヴィスで聞いた通過者は、
Misa Yang
Kristi Gjezi
David Galoustov
Satenik Khourdeian
Mari Lee
Noah Bandix Balgley
Ju-ni Lee
Miki Kobayashi
Haruka Nagao
Eugen Tichideleanu
Yura Lee
Hyun Su Shin
実際に1次予選に出場したのは34人中26人、審査員席には衝立てが設けてあり、覆面審査でした。
いずれコンクールの公式サイトに更新されるとは思いますが、以上速報でした。

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