「第62回全日本学生音楽コンクール」全国大会−受賞者インタヴューと、自由曲の77%は本選課題曲超えの「難曲」 

全国大会の受賞者へのインタヴュー記事が、「全日本学生音楽コンクール アーカイブ」にアップされた。

自己評価は厳しく、練習時間は長く、ペアレンツのコミットメントは深い。

今年3度目となる自由曲制の「学生音コン」全国大会は、その選曲において、各部の本選課題曲を超えるレヴェルの、中には相当に高度な難曲・大曲が選ばれる傾向が続いている。

小学校の部では、06〜08年度の全国大会で、演奏回数最多はメンデルスゾーン:協奏曲第1楽章で5回。サン=サーンス:協奏曲第3番第1楽章が4回。同第3楽章、サラサーテ:カルメン幻想曲、パガニーニ:協奏曲第1番第1楽章などが各2回。一方、ブルッフ:協奏曲第1番第3楽章は3回、同第1楽章が2回。ラロ:スペイン交響曲第1楽章は2回となっている。

ここ3回の全国大会で演奏されたのべ39曲のうち、近年の小学校の部・本選課題曲で採用された曲(及びほぼそのレヴェルの曲)はのべ9曲に過ぎず、残り30曲はそれを超えるレヴェル(例えば近年の中学校や高校の部の予選曲や本選曲など)であった。

同様に中学校の部も、のべ39曲のうち30曲が、本選課題曲レヴェルを超えていた。演奏回数最多は、今年度4名の競演となったシベリウス:協奏曲第1楽章で6回。サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソが4回。ラヴェル:ツィガーヌ、ヴィエニャフスキ:創作主題による変奏曲などが各3回と続く。一方、サン=サーンスの協奏曲第1楽章と第3楽章は各2回であった。

過去の本選採用曲ではない、それを上回るレヴェルの曲。例えば小学校の部なら、中学校の部の本選課題曲といったように、自由曲選択の暗黙の基準のようなものがいつの間にか形成されつつあるかに見える。

そのような中、今年と昨年の中学校の部・全国大会第1位受賞者が、いずれもサン=サーンスの第1楽章を完璧な技巧とまったき音楽性の発露で美しく歌い上げたことは、楽曲選択のこの暗黙の基準に対するアンチ・テーゼとしても強く印象に残った。

無論、選ばれた楽曲が何であれ、それはコンテスタントの本源的な実力故の結果であったろう。が、今年度の本選曲がとりわけサン=サーンスの第3楽章であったことを考え併せると、そこに協奏曲のトータル・スタディという視座から、第1楽章が選ばれるべくして選ばれた必然性が見えてくる。

今までも当然ありえて良かったはずのこのまっとうな選択は、高校の部・本選レヴェル以上の楽曲が錚々と居並ぶ中、適正な楽曲選択のあり方を清新なインパクトをもって指し示してくれた。

コメント

全国大会の選曲について

同感である。小学校の部でも本選と同じモーツァルトを弾いた子がいた。入賞こそしなかったが、のびのびとした良い演奏であった。やはり背伸びをしない選曲は望ましいと思う。

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