新刊書『知っているようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典』 

これは、なかなかの優れもので、面白い本だ。知識の程よい整理のためにも、実に重宝しそうだ。

7月26日発売の、ほやほやの新刊である。

エレメンタリーからハイバーまで、おけいこニスト及びそのペアレントを名乗りたる方は、すべて必携されたし、と強くお勧めしたいと思うほどだ。

「ああ、この手の「平易に解説」本ね、んな事分かってるし、今更。」とのたまう「上級者」の方も、もののついでで構わないので、書店か楽器店でパラパラと立ち読みでもされると良いだろう。

イグラーユも「立ち読み」で済まそうとしたが、これは1冊持っといたほうが良かろうと、購入したクチである。

−へえー、できるだけ駒の近くを弾くのは、「スル・ポンティチェロ」って言うんだ。へえー、「グリッサンド」と「ポルタメント」のニュアンスの違いって、そういうことだったんだ

−「19世紀〜20世紀のバイオリニストの系譜」、「日本の名コンマスの略歴」。こういうのって、ネット上でもコンパクトにまとまった情報少ないんだよねえ。

−「ストラディヴァリに価値を見出したのは」。おお、楽器のミニ裏面史ね。読ませるねえ。

−「ニッポンを訪れた世紀のバイオリニストたち」。このブログでもこんな記事を書いたことがあったなあ。

−「クライスラーを教えた意外な大物、意外な親友」

−「何人もの世界的バイオリニストを育てたブロンという教師」

−「まだまだいる世界の名教師一挙公開」

などなど、興味深いテーマを挙げればきりがないのである。

「バイオリンのことをもっと知りたい。生まれや育ち、楽器創りの名人、弾き手に名曲のことを教えて。何億もする銘器があるって本当?

バイオリニストの、ここが知りたい。古今東西の名手には驚きのエピソードが満載です。

というわけで、本書は摩訶不思議な魅力を放射し続ける楽器の華バイオリンと、その愛すべき人間模様に光を当てている。知っているようで知らないバイオリンの奥深い世界。」
−本書あとがきより

著者は、音楽評論家の奥田佳道氏と山田治生氏。山田氏はビオラを弾くので、「バイオリンを深く味わうためのテクニック用語」や「教則本、音階、練習曲をつくったバイオリニスト」のページなどは、セヴシックを「いまいましい」(笑)と書くなど、“現場感覚に富んだ”、実に共感できる記述内容となっている。

もちろん全体で220ページの本である。多くのテーマひとつひとつの掘り下げに関して、今ひとつの不充足感なきにしもあらずだが、記述はツボを得ており、情報はコンパクトに整理されている。

何よりも1冊の本にまとまっていることの強み。そして、実に読みやすいという点で、出色のバイオリン本ではないだろうか。


知ってるようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典 知ってるようで知らない バイオリンおもしろ雑学事典
奥田 佳道、山田 治生 他 (2007/07/26)
ヤマハミュージックメディア

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