「招き neko」プロジェクト(16)−左手の指の自由な動きを確保するために 

「脱力、脱力」と連呼すれば、脱力が出来るのか。

そもそも何故、力が入ってしまうのか。そのメカニズムを解明し、根本にある原因を突き止め、効果的な改善策を提示する。

neko 先生のアドヴァイスは、身体論に及び、いつも極めて具体的だ。スポーツ科学があるとすれば、ひょっとして演奏科学というものもあるのではないか、とも思われてくる。

neko 先生のレッスンを一度、実際に受けてみたい。それら珠玉の言葉に触れるたび、そう思うおけいこニストは多いだろう。

<<「指が開かないのは力が入っているから、力を抜いて動かしなさい。」くらいは誰でも言うでしょう。

しかし何故力が入るのか、原因がわからなければ脱力脱力と連呼しても無駄です。

左手の拳を握り、ヴァイオリンを弾く構えにしてみてください。ポパイの力こぶポーズになりますね。そのまま左手を開いて手首から先の力を抜きます。

どうですか?脱力すると重く感じませんか?

この「重い」自分の腕を支えて空中で指を動かさなければならないわけです。

ネックにしがみつかないで動くのが理想ですが、強い腕ができないうちは手に力が入っていたほうが弾く方は楽なのです。

脱力といわれて最初は力を抜くけれども、腕の重さに耐え切れずに指の付け根が指板より下に下がってくる、それでも弾き続ける為に指先でぶら下がる格好になる、これがいわゆる「首吊り」状態です。

更に、大人が忘れがちな春期特有の問題があります。育ち盛りの生徒は骨は伸びつつ骨化が始まり、骨の重量は重くなります。しかし、それを支えるだけの筋肉は後からついてくるという、アンバランスの状態にいるのです。今までは弾けていたのにだんだん調子が出なくなって、という一因はここにあります。

ですから、左手の練習をするときには手首から先だけ見ていては駄目です。左手の指の自由な動きを確保するためにはこれを支える上腕部の裏の筋肉を強くする必要があるのです。そうでないと、肩、肘、手首、親指の付け根の力は抜けません。

生徒はどうしても目先の指の方に神経が行くものですから、上腕部を意識して練習するように指導するとよいでしょう。

また、ダンベルを持ち上げるなどの無理はせずともいいですから水泳など自分の体重分だけの負荷をかける運動も効果的です。

小さいうちはどんな格好でも何とかして弾いてしまうものですが、身体の仕組みが変化するにつれてやり方を変えていかなければなりません。ただでさえ成長期は故障の出やすい時期です。ただ「頑張れ」ではなくて、自分の身体をトータルにとらえることができるようにアドヴァイスしてあげてください。 >>

(再び左手の話 2001/ 5/24 0:16)

コメント

>上腕部裏の筋肉を鍛える
なるほど・・・!!そんな風に具体的に理論的に教えていただいたのは初めてです。neko先生ってどなたなんでしょう。無知な私は何も知りませんv-356でも素晴らしい先生ですね。
早速実践します。
うちの子は左利きなので、左手についてはあまり苦労がないのですが、右手が不器用。練習後、ものすごく肩と背中が懲ります。やはり、脱力は課題です・・。
いつもためになる情報、ありがとうございます。

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