「招き neko」プロジェクト(57)−協奏曲のスコアを勉強する 

<<曲が決まってCDを何枚も買う、という行動は殆ど誰もがすることです。そこで何枚も聞き比べて演奏の月旦をする、大体こんな感じ、という輪郭がつかめて器用な人間ならそれなりに弾いてしまう。やはりCDを聴くのは大事だよね、ということになる。

しかし、環境を整えても弾く本人は大抵ソロパートの旋律を追いかけているだけです。実は協奏曲で聴くべき宝物はオケパートとの掛け合いの中に埋まっているのですが、本人にその気がないので聴くべきものが聴こえないのです。

プロを目指そうという生徒なら中学生以上になったら協奏曲のスコアを買って読む勉強をすべきです。

ピアノパート譜ではどうしても鍵盤数の制限がありますから省略される楽器が出てきてしまいます。この切り捨てられたパートが実は曲の鍵を握っていたり、その他にもスコア譜から見過ごしがちな対位旋律(例えばブルッフのお家芸)や隠れたシンコペーション(時代性が感じられない演奏は大抵これを無視しているからです)が浮かび上がってきます。

この視点からCDを聴き直してみると、ヴァイオリニストにしろ指揮者にしろ、世間一般で言われている評価とは全く違う音楽が聞こえてくるはずです。

楽器を持たずにCDとスコア譜を眺める訓練を取り入れることで協奏曲の呼吸が身についてきます。そしてまた、どの楽器とユニゾンか、この部分はどのソロと絡むのか等々を意識化することで音色も豊かになっていくものです。

現実のオケは木管が音をはずしたり金管が出遅れたりするものですが、理想のオケパートを頭の中で鳴らしながら弾けるかどうか、曲を仕上げる際に試してみるといいでしょう。 >>

(協奏曲 2002/12/18 1:14)

コメント

CDがなかった昔は

総譜を買ってきて一晩中読んだりしていたものですが。カセットでは聞こえない音も総譜には書いてある。ラジカセからは聞こえてこない音を頭の中で補充して、ムジークフェラインはどんな音だろうと想像したものです。今の子どもたちは、そういうことは、しないのでしょうか。ソロパートの音だけしか聞こうとしないで、それがそんなに楽しいとすれば、私にいわせると、そりゃエイリアンです。

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